ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

投資は成功体験、劣等感、恐怖心、で失敗したプーチンに学べ

 プーチンウクライナ侵攻は劣等感、恐怖心、成功体験で失敗した。

 ソ連は米英の圧力で崩壊したというアングロサクソンに対する劣等感、NATOがどんどん東に拡大していずれモスクワを攻撃するのではないかという恐怖心、ジョージアウクライナ東部、クリミア半島をほとんど損害なく占領した成功体験がプーチンの杜撰で無謀なウクライナ侵攻を決定した。そして泥沼に踏み込むだけでなく世界を敵に回すという大失策をやってしまった。

 ソ連は崩壊した。つまりロシアが米英に負けたと言うのはロシアにとって残念な歴史の事実だ。そして核を持っているものの経済的に小国になってしまった。プーチンはそれを認めるべきだった。劣等感をもって大ロシアの復活など考えずにNATO諸国と友好的に自国の経済発展を地道に行えばよかったのだ。

 NATO側も本気でウクライナをメンバーに入れることを考えていなかったし、ましてやモスクワを攻撃するなどということは全く考えていなかった。ドイツが消費量の半分の天然ガスをロシアから買っていたことからもNATO側がロシアと戦争する気がなかったのは事実だ。

 プーチンは東ウクライナクリミア半島をほとんど抵抗なく占領することができた。その成功体験がプーチンとロシア軍を油断させた。ウクライナはロシア領であった時期も長く、また東ウクライナはロシア人の人口が多い。そんなところをロシアが占領した場合現地住民の反発は少ないし世界の批難も限られることになる。

 だがウクライナ全土となると話は違う。ウクライナ人とロシア人は共通点が多く兄弟のようなものだが、過去のロシアの蛮行に対してウクライナ人の恨みは現実としてあるのだ。ウクライナ人の気持ちを考えなかったのが失敗の原因だ。

 リーダーは劣等感、恐怖心、成功体験、で失敗をする。プーチンウクライナ侵攻はその典型と言っていいだろう。

 同じ様に行き過ぎた劣等感、必要のない恐怖心、過去に儲かった成功体験は投資の間違いをおかすことになるとになる。投資家も劣等感、恐怖心、成功体験を適切にコントロールする必要がある。

2022年3月1日