友人たちが次々と定年退職になり、多くは雇用延長、一部はそのまま退職となっている。
私は少し先にサラリーマンを卒業し運よく自営業をやっている。
時間に余裕があるのでいろんな趣味を持つようになった。退職前からやっていたものもあれば退職後に始めたものもある。
何せ歳だから到底一流にはなれないと思っているし、若い人と比べれば何をやっても習得が遅く倍以上の時間がかかっているようだ。
ヘタクソ、同じことの繰り返し、成長ほとんどなし、ばかりだが色々と自分でできること”CAN”があって楽しいものだ。
定年退職をしたらまずはお金があることが大事で、生活できる金があることが幸せの最低の条件になる。
そして次に大事なのはいくつできること”CAN”があるかと言うことだと思う。
私はスポーツは二つできるし今も現役だ(ゴルフはできない)。
仕事と称して不動産とブログをやっている。これも好きでやっていて趣味のようなものだ。
語学も関西弁なまりの英語で話すし、雑誌を読むし、いつまで経っても上達しないフランス語は超簡単な本を色々借りて1日15分精進している。
運動しているので腹がすく、いつの間にかフランス料理のまねごとをしていて毎晩の夕食は私の役割になっている。日本食だと釣りもたまにするので魚はトビウオでさえ三枚におろせる。
楽器も初めてかれこれ1年になる、毎朝近所のスタジオ(1時間300円)で気持ち良く一人カラオケをしている。
他には昔母がお茶をやっていたので今は全くの我流だがお茶をたてて飲む、釣りもたまにやる。
"CAN"にはならないかもしれないが本も読むし、映画も見るし、博物館に行くのも大好きだ。
何かできるようになりたいと思って始めるとそれぞれの世界で友人ができる。
これが結構楽しい、趣味の時間だけ共有していてもいいし、飲みに行っても楽しい。お互い何を生業としているかぐらいの話はするが、たいていは趣味の話だけで飲み会が終ることが多い。
そもそも趣味でそれなりに忙しいし、歳だから若いころのように週に何度も飲みに行くと体を壊してしまう。
さらに"CAN"がいくつもあるといいのは見栄を張らなくていい。
趣味の世界はサラリーマンの価値観とは根本的に違う。それぞれに絶対的な価値観がある。
人が感動する絵を描くことができる人はそれだけで貴重だし、人よりも速く正確にスポーツできる人はそれだけで尊敬される。
サラリーマンの友人たちがどの地位まで行ったとか、どこに再就職したとか、一番多かった収入がどれだけだったと言うのが気になるようだ。あまり彼らに会うことはないが、飲み会にいったら私は趣味の話ばかりして話がかみ合わないだろうと思う。
この年になって”CAN”がいくつもあることを幸せに思う。
2022年4月7日