ドラコの資産運用 織田俊夫

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メローニ新首相誕生はEU崩壊とウクライナ停戦への小さな一歩になるかもしれない

 メローニ新首相誕生はEU崩壊とウクライナ停戦への小さな一歩になるかもしれない。

 メローニ首相はイタリア初の女性首相でありながらマスコミは全く持ち上げていない。むしろ極右だとか若いころにムッソリーニを支持する発言をしたなどとこき下ろしている。

 マスコミが何と言おうとイタリア国民はメローニ氏を首相に選んだのだ。そしてその選択は正しい。

 メローニ新首相が言っていることはイタリア国民にとって至極当たり前のことだ。EUからの独立、イタリアリラの復活、移民の制限、ロシアとの妥協と和平。決して極右ではなく単なる保守、というよりむしろ普通の中道言ってもいい。

 経済についてはイタリアは慢性赤字国家なのでイギリスのようにEUから離脱できるかどうか疑問の声があるが、成功の可能性はある。

 EUの通貨であるユーロをやめてリラを採用すれば、リラは最初暴落するだろう。しかし安くなったリラを求めて観光客は増し繊維など輸出は増えることになる。EUからの金融支援は受けられなくなるが、貸し手は日本、アメリカ、ロシア、といくらでも考えられる。イタリアがEUから独立してやっていけないと言うのはまったくの夢ではない。 

 もし離脱が実現すればEU内2位のイギリスと4位のイタリアが抜けることになってEUは致命的な打撃を受ける。しかもハンガリーポーランドは今明確にEU政府に反旗を翻していて続いて離脱することになるだろう。

 EUとその盟主ドイツの対ロシア外交は支離滅裂でそもそも破綻している。

 ウクライナ戦争前は仮想敵国であるはずのロシアから大量の天然ガスを購入していた。案の定ロシアからパイプラインを実質停止されエネルギー危機に陥っている。

 ロシアを非難するがロシアからガスは買うなどという訳の分からないことをいまだにできるとEUとドイツは手探りしている。

 道は二つしかない。一つはロシアを永遠の敵とみなしてガスの購入を諦め物価高、製造業の弱体化、失業、冷たい冬のシャワーを受け入れる。もう一つはポーランド東にフェンスがあると考えそれより東は獰猛な肉食動物のいるサファリとみなして、何が生じても関わらないことだ、そしてその地域との間でガスを含める貿易を続ける。

 メローニ新首相は後者の考えだろう。それはイタリアのような中型国家には現実的なやり方だ。

 イタリアの新首相はEUに対ロシア強硬策にどれだけ効くか分からないがブレーキを掛けることになり、それは今見えないウクライナの平和につながることになる。そしてEUの崩壊につながる。私はそれを見てみたい。

2022年9月29日