円安ドル高は間違いなく日本経済の追い風になる。
だが日経新聞を始め弱い円を憂いているし、ニュースは連日食料品価格が上昇していることを報道して国民の危機感を煽っている。
日本にとって円安はプラスになることなどすぐに分かるのだが、専門家と言われる人たちまでが円安は日本国力がなくなっているからだとか発言している。
物価はほとんどが人件費で成り立っている。
過去のブログ「経済学、物価はほとんど人件費だけから成り立っている(3月27日、3月29日)」を参照してほしい。
例えば自動車は材料、設備費、人件費などがコストだが、材料や設備も分解して行けば材料、設備費、人件費になり、その材料、設備費をさらに分解すれば材料、設備費、人件費になり、結局のところ自動車1台のコストのほとんどは人件費から成り立っている。
円安とは日本人の賃金が海外に比べて相対艇に安くなったことを意味する。
すると日本人の給与が下がったと言って大騒ぎするのがマスコミだが、下がったところで困るのは海外旅行に行く時だけだ。あるとすれば物価が多少上がることだ。
人件費が下がれば輸出品の競争力は増え、例えばトヨタなどの輸出企業はウハウハ状態になる。その恩恵は下請け企業、賃金上昇と言う形で従業員に還元されることになる。
もちろん輸入企業は困ることになる。高い製品と材料を購入しなくてはならない。
特に最近海外生産が増えて企業は輸入の方が多いから円安はマイナスだと言う人がいるが、日本国全体では今も輸出と輸入はほぼ均衡している。
製品輸入ははかなりの部分を日本で生産することができる。日本の製造業はそこで受注が増えるしその従業員の賃金は上がることになる。
材料についても例えばパンは輸入された小麦で造られているが消費者はそれをやめて米を食べればいいのだ。別に毎日やれと言うわけではなくて一週間に一度で輸入量は1割以上減る。
エネルギーなどは円安で高くなるが、原子力発電所を動かせばそれなりの緩和はできる。
円安によって輸入の支払いが増えるのは間違いないが、いろんな方法で緩和できる。逆に一部は日本国内での製造にすることで経済成長することもできる。
一方で輸出は円安分がそのまま丸儲けだ。今まで105万円の製品が150万円で売れるのだ。濡れ手に粟でこんなおいしい話はない。
2022年11月には各社決算発表が出てくるだろうが特に輸出企業は爆益をだしているだろう。
2022年10月23日