1989年東西ドイツの壁が崩壊し、ソビエト連邦が瓦解し、東欧諸国とロシアが共産主義を捨てたのを見て多くの知識銀や経済学者は共産主義は終焉したと自信をもって言った。
だがそれは誤解だったのだ。
1989年以後中国は共産主義を捨て経済の民主化を進めた。アメリカを始め多くの国は経済の民主化の次は政治の民主化がなされるだろうと安易に考えていたが、結局中国は独裁国家のままだ。そればかりかウイグルなど人権を弾圧し米国と軍事力を争い、日本に尖閣で国境紛争を仕掛けている。まさにヤク〇国家となっている。
北朝鮮は独裁国家のままで核開発を今も放棄することなく、拉致問題を無視し、度々東に向けてミサイルを発射している。
そのうちにダメになると言ってきたが、現実には中国は世界第二の経済大国になり、北朝鮮は東アジアの安全保障を十分脅かす存在であり続けている。
過去30年以上多くの識者たちはこの二つの国は例外と言って共産主義の終焉を繰り返し言ってきたが、実はこの二国だけでなく共産主義はしぶとく他の国でも形を変えて生き残っている。
もっとも左であるはずの共産主義と最も右であるはずの新自由主義の合体があるはずがないと思うかもしれないが、いま世界でその動きが進んでいる。
経済をグローバル化することで金持ちになり、環境問題やマイノリティー政策など耳に心地よい夢を提示して知識層を取り込み、共産主義者の常とう手段である低所得者層の味方を演じることで政治力を高めるやり方だ。
金持ちの彼らは共産国家の幹部のようにふるまい低所得者層を支配している。
選挙で不正を行い(多くの共和党員はそう信じているのは事実だ)、ロシアゲートをでっち上げ(少なくとも裁判で共和党容疑者はすべて無罪になっている)、自分の身内については甘い(バイデン大統領の息子の疑惑についてはいまも放置されている)、と言うようなことは共産主義者のやり口と同じだ。
今回の中間選挙で共和党が大勝できなかったのは残念だ。だが逆に新自由共産主義、あるいはグローバル共産主義がいかに手ごわい相手であるか、一回の選挙で打ち負かすことができない大敵であり、そして永遠に消滅しないゾンビだということを我々は認識したのだ。
勝っていないが、兜の緒を締めることになったのはいいことだ。
2022年11月14日