習近平主席、金正恩委員長、志位委員長、にもし会うことが出来たら聞きたい質問がある。
「あなたは共産主義のバイブル、カールマルクスの「資本論」を読んだことがあるか?」だ。
実は私は読んだことがある。
正確にはドイツ語の原書の英語訳を一部読んだことがある。
今はどうか知らないが当時大学の経済学部はマルクス経済学を主に教える大学と近代経済学を教える大学とがあった。
マルクス経済学は「マル経」と呼ばれた。偏差値のわりに当然就職は不利だった。近代経済学は「近経」とよばれ、当時はケインズ経済学を学び就職には有利だった。
私は就職も考え近経の大学に入った。大学のゼミは金融論だった。
最初に勉強するのは「資本論」だとして分厚い資本論の英語翻訳が教科書だと教授は言った。
「近経」なのにと思っているゼミ生たちの疑問に答えて教授は言った。
「今(1980年前後)世界の半分は共産主義です。世界の半分の経済がどのような考えに基づいて動いているかも知るべきです。経済学は比較的歴史の浅い学問ですべてを勉強してください。」
今も教授の考えは100%正しかったと思っている。
ゼミ生15人は分厚い英語翻訳を日本語訳に分担してやっていった。
ともかく難解だった。
大学入学程度の英語力では到底歯が立たない。後にドイツ語を勉強して知ったのだがドイツ語には一段落ピリオドがない、つまり一段落一文のようなダラダラ文があって、それが美しいとされる文体がある。おそらく原文はそんな文だったのだ。しかもドイツ語から英語は直訳になっていたと思われ英文も長くてさっぱり分からない。
最終的に資本論が何を言いたいかは教授の説明があって分かった次第だ。
ゼミ生全員が一致した意見は、分かりにくい、面白くない、冗長だ、だった。やっぱり時間の無駄だったとか、もっとわかりやすく書けとか、散々だった。
マルクスの「資本論」を最初から最後までまともに読んだらまともな人なら理解が出来ず共産主義嫌いになるはずだ。
だから御3人は「資本論」は読んだことがないことになる。
いや違うのかもしれない、読んだことがあるが普通ではない明晰な頭脳の持ち主なのだろう。左翼って冗談分からないので言っておくがこれは皮肉だ。
2023年1月17日