少々古い話になるが今年初めにダボス会議があった。
世界が心配しないといけないことと全く逆の話題をしていた。
世界の人口は国連の予測によると昨年80億人を上回り、2085年頃100億人に達し暫く停滞してその後減少に転じるとしている。
だが中国はこの予測より10年以上早く昨年人口減少していることを認めた。実際はもっと人口が少なく減少率も高いはずだ。
すでに世界の3分の2の国々は人口を維持する特殊出生率2.1を下回っている。
多くの人は知らないがアフリカやアジアの国々は過去20年で確実に豊かになっている。昔は井戸水さえなかったのに今は携帯電話さえも普通の人が持つ国や地域が増えている。残りの3分の1の国々も早いスピードで貧困から抜け出している。
これらの国々の特殊出生率が2.1を下回るのは時間の問題だ。
国連の予想をはるかに上回る速さで人口増加にブレーキがかかっていておそらく2050年頃には世界の人口はピークに達し、今度は逆に坂をころげるがことく、指数関数的に人口が減少することになる。
そして世界全体が少子高齢化の問題を抱えることになる。
今日本で少子高齢化が問題となっているが、それが全世界で生じることになる。
経済成長は鈍化し、働き手は少なくなり、老齢介護の問題が大きくなり、国会財政、年金、医療保険が崩壊の危機となる。
一国だけの問題ではないので例えば所得の低い国々から労働者を輸入することはできないし、介護士や看護師を連れてくることもできない、安く発展途上国でものをつくることも不可能になる。
ダボス会議で議論された人口増加というのは先の見えた解決された問題なのだ。それよりも全世界で起こる人口減少、世界総高齢化、の問題について議論する時期にきている。
同じように地球温暖化ではなく地球寒冷化について、ウクライナは徹底抗戦ではなく即時停戦について議論すべきだと思うが、ダボス会議の常識は私の考えとはかけ離れているようだ。
2023年1月23日