ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

インドが長期投資に適切な二つの理由 その5

 長期投資はインド、アメリカ、そして日本だとしたが、他に注目する国があるか言えば南アメリカになる。

 インドの次の国と言って思い当たる国はBRICS5か国のうちの残りのブラジル、ロシア、南アフリカであり、成長著しい東南アジアではベトナム、タイ、インドネシア、というところだ。

 それぞれ全部で6か国あるが一つづつ確認することとする。結論から言ってインドの次の投資先は難しい。あえて言うならば南アフリカだ。

 タイは1999年通貨危機で経済は大混乱となった。ジョージソロスが指揮するグループがタイバーツの空売りをしてその結果暴落した。タイとイギリスの通貨が売りを浴びせられその結果世界通貨危機が発生したのだ。

 その後タイの田中角栄とも呼ばれるタクシン氏が首相になり経済の立て直しをした。

 外資を積極的に導入し法整備を進め株式市場の透明化を行った。麻薬マフィアについては銃で殺していった。かなり強引なやり方で経済社会改革を行った結果タクシン氏自身はクーデターで海外に追放された。

 だがタクシン政権下でタイ経済は高度成長しアジアの貧困国を脱し中心国と呼ばれるようになった。日本だけでなく多くの欧米企業、自動車、電機などが工場を建設してタイ労働者の賃金は飛躍的に上がった。

 もし2002年頃タイの株式市場に投資していたら株価の上昇と配当金で2012年には数倍になっていたはずだ。

 だがもう遅い。2010年代に入りたいタイは低成長になってしまった。

 ひとつの理由は中進国のジレンマと言われるものだ。技術を買ったり借りたりして移転して安い労働力を使って近代化をすることまではよい。だがその中進国は後独自の技術で国際競争力のあるのもを作り出し高い賃金を得ることが難しい。

 二つ目は人口動態の変化だ。タイの出生率は2.0を割っており老人の数も徐々に増えだしている。人口ボーナスの時期は終わり人口オーナスのブレーキがかかりだしたのだ。

 日本の高齢化は凄まじいがすでに豊かになってから高齢化が進んだ。一方でタイを含む東南アジア諸国は豊かになる前に高齢化が進んでいる。

 対外的には西側諸国の一員としていて問題はない。だが今までの成長は中国に依存するところが大きい。よって人口動態は☓、地政学的状況は△になる。

 決して投資して行けない国ではないが、中進国のジレンマと中国経済への依存度を考えると積極的に投資する国ではないと考える。

2024年1月17日

 

 

 

 

人口構成の変化だ。