ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

今の戦線で戦闘は膠着し縮小するロシアとウクライナのそれぞれの事情

 ウクライナ戦争は膠着状態が続き戦闘は縮小していくだろう。

 その理由をロシア側とウクライナ側から見ることにする。

 まずロシア側の立場に立ってみる。西側メディア情報を鵜吞みにせずロシアの目で戦局を見ることが大切だ。

 ロシアの目的はウクライナの中立化と東南部5州(東部4州とクリミア州)の領有だ。

 今東南部5州は概ねロシアの占領下にある。

 ロシアにとって5州以外はロシア人が少なく統治が難しい。

 ウクライナのロシア人保護というロシアの目標は5州占領でおよそ達成できる。

 もう一つの目的はウクライナ中立化だが、昨年2月戦争開始時キエフ侵攻を失敗、当面諦めざるを得ない。ウクライナNATO加盟の希望を表明しているが、NATO諸国はウクライナを受け入れることはないだろう。

 となるとロシアは5州の完全制圧が終わればロシアの目標を達成することになる。

 次にウクライナ側から見て見る。

 ウクライナが5州を奪還を試みると、この地域のロシア人を守るためにロシアは断固戦うだろう。

 西側メディアはロシア兵の士気が低いと言うが、ロシア人たちを守るというスローガンはロシア兵を鼓舞するに違いない。

 ウクライナが5州を奪還したとしても住民の多数はロシア人だ。住民の反発にウクライナ軍は悩まされることになる。最終的にロシア系住民の自治を認めざるをえなくなる。

 多くの血を流しても結局ロシア人の地方自治政府ができる、そんな無意味な戦いをウクライナは本気でやらない。ウクライナ5州奪還作戦においてウクライナ兵の士気は上がらないはずだ。

 欧米から戦車供与が決定された。しかしアメリカは下院が共和党多数となり対中国を優先すべきという意見が主流となりつつある。今までのような武器供給はできない。欧州諸国も国民に厭戦気分が広がっていて武器供与は減るだろう。

 限られた武器でコストパフォーマンスの悪い東南部5州の奪還をウクライナが本気でやることはない。

 ロシアもウクライナも戦闘縮小が望ましいと思っている。東南部5州の残りの街をロシアが占拠すれば戦いは実質終焉することになる。

 ロシア、ウクライナ、両国の均衡が出来つつある。これをぶち壊して戦争を継続しようとしているのはアメリカの一部の勢力、民主党、バイデン政権だ。

2023年2月8日