長女の友だちも帰国子女で数年前大学入試をした際に「チキンカレーの作り方」と言う論文で見事有名私立大学に合格した。
帰国子女は別枠の入学試験ある。
海外の高校での成績に加えて、英語、国語、数学、社会、理科の入試が大学や学部によってある。加えて論文を課すところも多い。
一般学生と同じ試験だと海外で教育を受けているのでハンディーが大きい。
入試科目を大幅に変更しているのだ。全体としてAO入試に似ている。
一般入試と比べると5教科の問題が簡単なので、私は帰国子女の娘にはズル入りだと冷やかしていた。だが外国語を勉強しその言葉で勉強をしたわけだから相当な苦労をしていることも事実だし、海外だからこその経験もしている。全体として帰国子女を正しく評価できるテスト方式だと思う。
さて彼女の論文のお題は「あなたが海外経験でためになったことを書きなさい」だったと記憶している。
「チキンカレーの作り方」は台所で肉と野菜を切るところから始まったのではなかった。
東南アジアの田舎の街に住んでいた彼女は夕飯のために庭に飼っていた数羽の鶏を選ぶことから始まる。
足を紐でくくって逆さに吊り下げる、首を包丁で落とすと血がしたたり落ちる。
落ちた首の始末をする。
血を抜いたあとお湯につけて羽根をむしり取る。
丸裸になった鶏肉を包丁で関節を上手くよけながら部位ごとにさばいていく。
その後ようやく台所で普通のチキンカレー作りが始まるのだ。
直接読んだわけではないのだがさぞかし描写がリアルだったのだろう。
想像だが食べ物の尊厳のようなことを最後に述べて締めくくったのではあるまいか。私が試験官ならば高得点をつける。
彼女はその後大学を卒業して今はキャリアウーマン(言い方が古いかも)として立派に高給を稼いでいるらしい。
最後に付け加えるかどうか迷ったが、パンとかフィナンシエをコオロ〇を育てるところから始まる話は未来永劫論文にはしてほしくないと思っている。
2023年3月14日