MAUGER(モージェ)というフランス語の教科書がある。
かなり古い歴史のある教科書でフランス語をまともに勉強するのであればだれでも知っている教科書だ。
二冊の教科書が全体で物語になっている。
少年がカナダのフランス語圏の都市モンレアル(モントリオールのフランス語読み)で生活している。お父さんの仕事の関係で家族でカナダからフランスに行きパリで生活することになる。
カナダはかつてイギリスとフランスの植民地であったため人口の8割が英語を話し2割がフランス語を話す。
そのカナダでの生活は豊かなものだ。
家族は楽しい旅をしフランスでいろんな発見をする、シャンゼリゼ通り、フレンチのコース料理、ワイン、シャンパン、肉屋やパン屋での買い物、デザート、ファッション、芝居、映画、旅行、バカンス、床屋、カフェ、車、鉄道、飛行機 学校、パリのマンション、田舎の農家、、、
少年の生活と旅がとても楽しく描かれていて教科書が進むにつれフランス語ができるようになっていく。
ただこの教科書はもともと植民地にいるフランス語が出来ない人たち、つまり征服された現地人がフランス語を学ぶために作られたらしい。
フランス人からしたら文化的に劣っていると思っている人たちを教育するためにフランスの文化を誇らしげに語学教科書に織り交ぜているのだ。
それを聞くとこの教科書で勉強した私もフランスに見下されているのかと腹立たしくなったが、よくできている。さすがに何百年と植民地政策をやってきた国だ。
アフリカやアジアの植民地の人々はこの教科書で勉強してさぞかしフランスに憧れたに違いない。
フランスは移民に寛容である一方で、移民を最大限に利用し、また差別し放置してきた。
その報いが今フランス全土での大変な暴動になっている。
警官がアフリカ系少年を射殺したことがきっかけだ。
多くの人達がモロッコ、アルジェ、チュニジア、コートジボワール、ブルキナファソ、モーリタニア、ベトナムからやってきた。
MAUGERの教科書にあるような理想のフランスではないにしろ夢を持ってやってきたに違いない。だが現実は違ったのだ。
それは同じ元植民地出身でもMAUGERの少年の先祖はフランス人だったが警官に撃たれて死んだ少年の両親はアルジェ、モロッコ人だったからだ。
さて日本も技術研修制度のように低所得の移民を受け入れ続けるとフランスと同じことになるだろう。
近い将来不景気になった時に日本各地でベトナム人、中国人、が憎しみをもって暴動が起こすことになる。今すぐ技術研修制度という名のついた移民制度を止めるべきだ。
2023年7月4日