映画「シモーヌ フランスに最も愛された政治家」を観てきた。
フランスで信頼と尊敬をもって称えられる人気の政治家シモーヌ・ヴェイユ氏の自叙伝を映画化したものだ。
世俗的な(ユダヤ教信仰は緩やかでフランス社会に溶け込んでいる)ユダヤ人家庭に生まれた彼女はナチスドイツ支配のフランスで囚われ、アウシュビッツに送られる。父、兄、母を失うが何とか生きながらえる。
戦後結婚し法学院を卒業し弁護士の資格を取って才能を発揮していく。刑務所の環境改善、社会復帰のシステム作り、アルジェリアの捕虜収容所の改善、そして妊娠中絶の合法化を図る。また保健大臣になりエイズ患者の人権を守り保健対策をする。EUの議長にもなる。
収容所で精神がボロボロになった彼女をあるいは女性の地位が高くない時代に仕事をする彼女を理解する夫がいた。そして彼女は母であり慕うこどもたちもいた。
戦後の彼女の活躍と戦中のユダヤ人迫害のシーンが交互に繰り返される。
アウシュビッツと戦後を行ったり来たりするのは見るのに相当な体力が必要だ。
弱い人たちの立場に立つ思い、熱意、思想、に感嘆させられる。リベラルとはこうあるべきだというお手本だ。
彼女には動かない哲学がある。
引き上げてくれたボスが銃弾で亡くなった途端、手のひらを返した稲田議員に爪の垢でも煎じて飲ませたい。
そういえば3泊5日フランスに旅行に行った36人の自民党女性議員はシモーヌ・ヴェイユ氏を知っているのだろうか。
彼女たち36人は教育をしなおさなくてはいけない。
更生プログラムにこの映画の鑑賞を入れるといい。研修旅行中実質の仕事は6時間だったらしいから追加の研修2時間半ぐらいしてもいいだろう。
2023年8月9日