ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

マンションの管理組合 その3

 1年前東京から電車で50分駅から徒歩3分のマンション一棟が売りに出た。築30年6戸の小さなマンションだ。全戸賃貸中だ。

 始発駅で電車が多い、バスも駅前から多数出ている。商店街に徒歩2分、電車の騒音はない。現場を見たが特に大きな問題はなさそうだ。

 これほど条件がいい中古マンションはなかなか出てこない、地方銀行がそこそこの固定金利で貸してくれることになった。

 話が進み融資も銀行の社内承認が取れたが、結局私は断った。

 購入するかを決めるために購入から銀行返済の終わる時まで、例えば30年間の採算と資金繰りをシミュレーションする。

 毎年の家賃収入、修繕費、借入金利、銀行返済、固定資産税、管理費用、清掃費、電気代、役員報酬、償却費、などを想定する。さらに初年度は初期費用などを想定。  

 エクセルに入力して30年間の毎年の採算と資金繰りを出すのだ。

 エクセルの計算式と表は数ページからなる少々複雑になものでノウハウの一つとなっている。エクセルの熟練レベルの知識が必要だが、特殊ソフトではないので費用はかからないし自分で修正することができる、

 計算式を壊さないように注意してやれば誰でもシミュレーションができる。問題なのはどんな数値を入れるかだ。

 空き室率を平均1%にするのか3%にするのか、金利は変動ならば今後の金利を予想して入れなくてはならない。

 今回私が問題にしたのは修繕費だ。

 一人のオーナーがマンション全体を所有していたので修繕費と管理費が分からない。過去に大規模修繕を行ったと言っているがその資料がない。

 まず自宅マンションの積立金から30年間の費用を推測した。また手元にあった他のマンションの大規模修繕費用のデータも参考にした。

 これらから30年間の修繕費は思っていたよりかなり高いことが分かってきた。

 しかも積立金のように毎年均等に出て行くわけではない、一棟丸ごとオーナーの場合何百万円が一気に出ていくのだ。資金繰りが急激に悪化する。

 結局1か月後に私の知り合いの不動産投資家が購入した。

 購入一か月後に早速雨漏りが発覚して大規模修理になっているらしい。

2023年10月6日