ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

まだ買わない方が良い米国国債

 証券会社からアメリカの長期国債を購入してはどうかと問い合わせがあった。

 ドルの長期金利が4%前後なので30年もののストリップス国債は額面の約3割で購入できる。

 ストリップスとは期間中に利子の支払いがない債権だ。その代わりに額面価格よりも低い価格で購入ができる。購入金額と額面との差が利子になる。

 SMBCのホームページを見ると28年3月後2052年2月満期額面100ドルのストリップス債が32ドル90セントで購入できる。利回りは年間3.98%だ。

 今32ドル90セント支払うと28年後100ドルになる債権を受け取ることになる。実際は証券会社に預けたままで実際に証券を目にすることはない。

 28年間ずっと市場金利が同じだと時が進むにつれて債券価格は32ドル90セントから100ドルに近づいていく。

 28年間途中で市場金利が下がると債券価格は十上がって100ドルに近づくし、逆に金利が上がると債券価格は下がって32ドル90セントからなかなか100ドルに近づかない、場合によっては32ドル90セントを割り込むことがある。金利によって28年間に債券価格が上下するが最終的に28年後に100ドル受け取ることができる。

 いま32ドル90セントを払って28年後に100ドル受け取ることができる、3倍になるのだから悪い話ではない。

 だが日本からの投資は円をドルに両替が必要だ。

 28年後今よりドル安円高になっているとドルの受取金額が増えていたとしても円に両替すると損をすることになる。

 今よりもドル金利が低くなると債券価格は上昇するが、ドルは円に対してやすくなるだろうから相殺される可能性が高い。もちろん債券価格の上昇による利益とドル安に夜損の大小による。かなりアバウトな考え方だが行って来いの引き分けになると考えるべきだ。

 だがドル円の為替レートは日本の金利にも影響される。日本の金利が上がると円だがドル安になってドル債券の円貨価値が下がることになってしまう。

 今後日本銀行金利を下げることはまずない。

 このことを考えるとドル金利低下になると債券価格は上昇するがドル安になるで一勝一敗、日本円金利の上昇する可能性が高いで一敗、両方合わせて一勝二敗になる。

 日本円の金利上昇傾向とドル金利の下落傾向を見極められるまで米国債投資は基本待った方がいいと考える。

2023年12月13日