百貨店高島屋のクリスマスケーキが800個以上崩れて配達されたとニュースになっている。
髙島屋は即座に記者会見を代金を客に帰し電話で謝罪をしたとのこと。証拠があろうがなかろうがクレームの客に対応しているとのことだ。迅速な対応はさすが老舗百貨店と思わせる。
だが高島屋の記者会見で気になった言葉がある。
「原因の特定は不可能」と行った点だ。
自動車業界に長くいた経験から言うとクレームがあったのに原因の特定が不可能などと今の時点で言うのは何事かと言いたい。
原因を明らかにしなければ対策を取ることはできない。
髙島屋は原因の特定をしないことで下請け業者、運送会社のことを想い責任を世間にあからさまにしないでおこうという配慮なのだろう。すべて高島屋が悪いということで決着をつけようとしている。それは隠蔽をしようとしていると言っていい。
原因は分からないけどごめんなさい、と言っているわけだがこれは客に対して不誠実だ。
原因が分からなければ同じ事故が生じることになる。安心して客は高島屋の製品を買うことができない。
さらに原因が下請け業者であれば運送会社はまったく落ち度がないのに疑われることになる。運送業者の評判が落ちるのは不公平だ。ケーキを監修した料理人は自分が責任ではないとテレビで言ってしまっている。
さらに言えば例えば冷凍を十分にしていなかったことが直接の原因だとした場合、それだけで調査は終わってはいけない。
実際に昨年までは冷凍期間が2ヶ月もあったのに今年は1日だけだったという話も漏れ聞こえている。なぜ冷凍を十分にしなかったのかについて深堀をすべきだ。材料の仕入れが遅れたのはなぜか。先入先出もできていなかったかもしれない。
下請け業者のスケジュールが詰まっていたのだろう、ではなぜそんな過密スケジュールでやったのか。それを髙島屋はなぜ容認したのか、と掘り下げていかないといけない。
これは想像だが、そこにはコストダウンを図らないといけなくて人員が不足していて、価格や納期について髙島屋から強い要望があったからだろう。高級品をお客様に届けるという本来の百貨店の精神を忘れて近視眼的な儲け第一主義に走ったのだと私は見ている。
今回の髙島屋ケーキ騒動は謝ったらいい話ではない、髙島屋は本来の百貨店精神に立ち戻らないといけない。それまでは少々安くなったからと言って株式はかってはならない。
2023年12月30日