ブルームバーグによると8日の金融・証券市場では、日本銀行の内田真一副総裁が緩和的な金融環境を維持する考えを示した、と報道した。
これに伴い円が対ドルで下落し、円安を受けて日本株は上げ幅を拡大、バブル崩壊後の戻り高値を更新して取引を終えた。
今日本経済は飛行機に例えるならばようやく滑走路に入ることが出来てゼロ金利政策と言うエンジンで全力で滑走しだしているところだ。
滑走路に入れたのは先のブログで述べたように地政学的変化によって中国から日本へのシフトが本格的に行われ出したからだ。
離陸が確認できた段階、つまり今年の春闘で大企業と中小企業の賃上げ(5,6月頃)が確認された段階で日銀のゼロ金利政策は取りやめとなるだろう。
内田副総裁はマイナス金利政策を止めても短期金利を上げるのはその後十分経済の成長を確認してからと言った。
マイナス金利政策とは銀行が日銀に預けているお金の金利の話であって、止めたからと言って企業や個人の借入金利が上がることはない。短期金利が上がって初めて市場金利は影響を受ける。内田副総裁は市場に影響を与える短期金利を上げるのは相当先だと言ったのだ。
マイナス金利政策の取りやめは本格的な上昇に備えるものだ。飛行機が離陸後車輪を引き込むようなものだ。
短期金利を上げるのは日本経済が上昇する十分な推力を得てからになる。飛行機に例えるならば上昇を続けることを確認してからになる。
物価が2%を上回って3%台になる、賃金が4%から5%程度継続して上昇することが確実になる、株価が5万円を超える、のいずれかが達成してからになるだろう。
このことを考えると日銀の政策金利の変更は早くても2024年後半、おそらく2025年の春闘以後になると私は見ている。
2024年2月10日