最近いくつかのユーチューブで「人生の成功は能力や努力でなく運だ。」という話を聞いた。
科学的にハーバート大学がモデルを作ってコンピューターで実験計算させたものがあるらしい。他に学者が言っているものが多くあるようだし成功した人が言っているものもある。
結論としては能力が飛びぬけている人が成功するのではなく平均よりやや能力が高い人が成功する。また努力は重要だが世の中の多くの人は努力をしていて報われるのは運だという事だ。
人生60年以上生きて来て本当にそうだと思う。
大谷翔平選手が大リーグで大活躍をし最近結婚をして日本中の話題になっている。
彼は日本人離れした類まれな体力と運動神経を持っている。そして他のプロ野球選手以上の努力をしてきたはずだ。
彼を称賛する人たちは成功は素質と努力だと信じて疑っていない。その見方は間違いがないのだが、見方を変えてみよう。
もし彼が江戸時代に生まれていたら、食料が乏しい東北地方のよく食べる大男でしかなかっただろう。
もし戦争の時代に巻き込まれていたら、沢村正選手のようにボールの代わりに手りゅう弾を投げていたかもしれない。
もし野球というスポーツがなくてサッカーしかなかったら、たぐいまれな運動能力があるのでプロサッカーリーグには入っていたかもしれないが、世界で活躍できたかどうかは疑問だ。
素養と努力の塊に見える大谷翔平氏も運とは無関係ではない。
人によってはその運は神様のお陰と思うのだろう。神様を信じなくても幸運であったことを自覚する人たちもいる。たまたま自分はうまくいった、という思いだ。
そんな人たちは自然と成功しなかった人や普通の人たちに対して優しくなるのだと思う。
その優しさこそが資本主義社会で最も必要で大切な感情なのだ。
2024年3月16日