ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

日銀は極めてうまく情報の発信を行っている。

 3月12日のブログ「日経平均株価、為替レートは2024年6月まで乱高下するが7月には落ち着く」で7月マイナス金利政策解除でドルは140円程度、11月トランプ大統領の誕生で130円になると予想した。

 だが日銀は私の予想よりもうまくやっているようにみえる。

 円高は離陸し始めた日本経済に冷水をかけることになる。アメリカは日本を対中国封じ込めの最大の同盟国として選んだ以上日本が経済的に落ち込むことは避けたいと考えている。円安は日米にとって好ましいことで両国とも円高ドル安は避けたいという思惑で一致している。

 マイナス金利政策解除に対する過剰な市場の反応をみて私は解除がされる7月に致命的レベルではないものの140円まで円高になると予想した。

 そんな状況の中日銀は神経質で過剰な反応をしている市場に丁寧に説明を繰り返している。マイナス金利政策を解除しても銀行が日銀に預ける資金に金利がかかるのがなくなるだけで借入をしている企業には直接影響ないという説明だ。

 日銀は7月のマイナス金利解除までに何度もこの説明を繰り返して市場の理解を得るだろう。うまく行けば解除する7月140円台後半の円安を保持することができるかもしれない。

 また日本経済は離陸したばかりで継続して上昇していく推進力はまだ得られていない。さらにアメリカと違って少子高齢化が進むのでアメリカのような高成長を中長期で得ることは不可能だ。

 日本は永遠に高金利政策は取れない。短期的にはマイナス金利を解除したあと政策金利である短期金利を上げるのは当分先になるだろう。中長期でみても日本の政策金利アメリカの金利より高くなることはほぼないと見るべきだ。このことも日銀は説明を続け市場は理解していくものと考える。

 日銀の注意深い情報発信をみると日銀がマイナス金利を解除しアメリカが今年末に政策金利を下げたとしても円高が進んでも(先のブログと予想が異なるが)140円前後に留まるのではないだろうか。

2024年3月18日