ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

春節しか文化のない中国、明治維新は偉大だった。

 中国の春節旧正月)はやっかいなものだ。旧正月を150年前に捨て去った明治維新は偉大だった。

 やっかいと言うのは中国人が大移動し大挙した観光客がコロナウイルスを日本や世界にばらまくということではない。

 地味な話だが1,2月の経済指標が春節によって当てにならず、2月の経済指標が出てくる3月まで待たなくてはならない。

 春節太陰暦、旧暦の正月だ。太陰暦は1年が12か月や13か月の年があるので太陰暦の正月は太陽暦の1月であったり2月であったりする。年によって売上、生産量、消費、などの数値が1月,2月の間で大きくずれてしまう。

 春節に加え2月は閏(うるう)日が4年ごとにくる。1,2月の合計が59日だからこれに1日閏日の増加は1,2月の1.6%にもなる。閏日1日でも数値調整が必要で長い春節ともなれば数値調整が信頼に足るものか疑問だ。

 日本は旧正月を廃止したうえに閏日が年度の最後に来るよう4月ー3月を国や企業の財政年度としたがこれは近代化に着実に貢献したはずだ。

 この春節、さらに迷惑なのは世界がクリスマスや年末年始を終えたすぐ後に中国人は休むことだ。世界が十分休養を取ってさあエンジン全開という時に中国人は休むのだ。

 タイのソンクランは4月、日本のゴールデンウィークは5月、イスラムラマダンは9月、とそれぞれひと働きしたあとの休みで世界に迷惑はかけない。

 中国の植民地時代に欧米人が休んだあと働きだすときに足を引っ張るために旧正月を残したのではないかと勘繰りたくなるものだ。

 つまり自分たちのアイデンティティーを旧正月でしか示せないのではないか。

 マレーシアでは中国人の休日、マレー人の休日、インド人の休日がそれぞれある。彼らはそれぞれの民族のアイデンティティーを休日で確かめているように見える。

 中国共産党独裁制をもってすれば日本のように旧正月を廃止することなど簡単なようなのだが、それをしないのは唯一の残された中国文化だからなのかもしれない。

 そういえば韓国も同じく頑なに旧正月を守っている、戦後独立してから旧正月を復活したのだろう、植民地にされたベトナム旧正月がある、しかしタイなどは柔軟で20年前は旧正月で休む日が長かったが次第に短くなっている、やはり独立していたからかもしれない。

 明治維新での太陰暦放棄と旧正月の廃止は地味な改革であったかもしれないが、よくも思いきったのものだ。合理的な改革であったことに加え、日本国民は正月を太陽暦で受け継いで伝統を守っている。