ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

確率とマグニチュードの恐ろしい関係:保有するアパートで殺人事件が起こったら

 確率が小さくても事故が起こると被害が甚大になることがある。

 地震大国日本においても大地震を経験するのは一生に多くて2,3回、運が良ければ一度もない人もいる。

 しかしそれに遭遇すると家を無くしたり、怪我をしたり、最悪命まで失ってしまう。

 航空機事故も同様だ。飛行機に乗って死ぬ確率は0.0001%、つまり100万回乗ると1回墜落事故にあう。

 確率が少なくてもその災害が生じると甚大な被害を被ってしまう。つまり確率が小さくてもその災害のマグニチュード、規模がとてつも大きいことは世の中にある。

 不動産賃貸業において殺人事件が起こる確率はほとんどない。

 日本において殺人の数は毎年減っており300人程度になっている。

 殺人の半分が賃貸物件でなされるとすると150人、日本の賃貸物件数を1000万戸とすると毎年0.0015%の確率で生じることになる。飛行機事故の15倍の確率はある。だがよほどの運が悪くない限り遭遇することはない。

 残念ながら一定の確率でこの災害に出合わすことはある。その時殺人事件のあった部屋は使い物にならないばかりか建物一棟そのものの入居者が激減し家賃が下がってしまい、最悪資金が回らなくなり破産することもありうる。

 同様に大家として迷惑な自殺者も毎年減っているが年間25000人程度で確率としては高く私の周りの大家も経験している人はいる。

 めったに起こらないことだからこれらのリスクを無視するのも一つの考え方だ。しかし歴史をみればトマ・ピケティ―「21世紀の資本」で言うように資産家の没落は戦争や大不況などの災害によるものだ。大災害にある程度の対策をしておくことは資産家には必要だ。

 保険会社に聞いてみたが殺人保険というものはないようだが、それよりも確率の大きな自殺に関しての保険はある。殺人や自殺などの最悪の場合の保険、資金繰り、建物の取り壊しについて一度は考えておくべきだと思う。

 

確率が少ないからと言って大事故に備えないのは賢明とは言えない。

投資はご自身のリスクとご判断でお願いします。