ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

資産分割、持株会制度は危ない。

 会社に入ると持株会制度がある会社がある。

 持株会は毎月千円、1万円から積み立てすることができるし、また会社が株式を購入するのに数パーセントの補助を出している場合も多い。

 普通個別銘柄の株式を購入するのは1000株単位になるので株価が1000円だと100万円、安い株式、たとえば300円でも30万円の資金が必要で、持株会はまとまった資金のない新卒者にとっては好都合だ。

 だが持株会に入る前に確認しておくべきことがある。

 まず持株会のルールとしていつでも現金化できるか確認しておかないといけない。

 また、最近は転職も多くなってきており、退職の際に株式を売らないといけないのかそれとも購入したままにできるのかも確認しておくべきだ。退職時に株を売りたくないことをもあるからだ。

 さらにルールには書いてはいないが退職するまで現金化してはならないとか家を買う時にしか現金化できないと言った社内の雰囲気、不文律がある会社が多い。先輩たちに確認を取っておいた方がいい。

 現金化するときに何に使うかを聞かれてプライベートに踏み込まれる可能性がある。家を買うことを会社に知られてローンを抱えたら転勤命令を出しても会社を辞めないと考えらえて転勤させられる可能性もある。

 よく「将来偉くなった時のことを考えて株式を持っていた方がいい」と先輩に言われるかもしれない。だがまず偉くなることはまずないだろうし(失礼)、なりそうならその時にまとめて買えばいい。実際1株も持っていなくて取締役就任時にまとめて買う人たちを私は知っている。

 そして最も大事なのは持株会は「同じ籠にたまごを入れるな」(3月21日ブログ参照)に反することを理解しておくべきだ。給与をもらう会社と金を預ける会社が同じであるというのは危ない。もし会社がつぶれた時に給与も持株会株式も失ってしまうことになる。

 そんなことはないと思うかもしれないが実際に私はそんな人を知っている。

 有名国立大学を出て一流銀行に入社。そのころ社内預金の制度もあり、社内預金と持株会を会社規定のぎりぎりまで積み立てていた。なんとなく銀行の調子が悪いことには気づいていたが、社内預金も持株会も家を買う時か退職するときしか現金化できないという社内ルール、不文律があって社員は誰も現金化しようとしなかった。

 結局銀行は倒産し、彼は社内預金も持株会の株式もすべて失ってしまった。

2020年3月23日

投資はご自身のリスクと判断で願いします。