リベラルの組織は最終的に権力者や金持ちが牛耳ってしまう。組織のなかで一部の権力者あるいは金持ちが権力を拡大していくのは保守でもリベラルでも同じだ。
私は日米のリベラルを批判しているが、繰り返すが私はできれば所得の格差が余り大きくない社会がいいと考えており、その点で自分は真のリベラルだと思っている。
だが支持できるリベラル政党がない。日本の野党は多くの日本国民が感じているようにどうしようもない体たらくでリベラルを名乗るべきでないし、米国の民主党も相当問題を抱えていると思う。どうしてリベラルはだらしない政党になってしまうのだろうか。
リベラルには多くの低所得者がいるので一部の権力者が多くの力の弱い人たちを容易にコントロールすることができる。権力者が多くの弱者を支配しているのは極端な例で言えば中国や北朝鮮だ。もう少しまともな日本の野党や穏健なアメリカの民主党においても強者が多数の弱者を支配している。
リベラルの権力者や金持ちは本来平等でないといけない組織のなかで多くの弱い人たちを支配しているという矛盾を隠し胡麻化さなくてはいけない。その誤魔化しがリベラルの権力者たちの口から次から次へと出てくる理想主義だ。
オバマ大統領が核兵器廃絶を演説した。理想ではあるがはっきり言って全く現実的でない。この理想を語れば多くの経済弱者は感銘を受ける。米国史上初めての黒人大統領が初めて核廃絶を口にしたことは米国の黒人をはじめマイノリティーや経済弱者に夢を与える。
しかし現実に核兵器は廃絶されないし、黒人やマイノリティーの所得は上がるわけではない。また民主党支持者のマスコミ、ハリウッドの俳優、ニューヨークやロサンゼルスに住む金持ちの所得税が増えるわけではない。
ゴア副大統領がCO2削減を提唱しノーベル平和賞を受賞した。理想ではあるがCO2地球温暖化そのものが疑問視されている。黒人やマイノリティーの所得は上がるわけではなく、儲かるのは非効率な自然エネルギー産業だけだ。
これら黒人やマイノリティーにとって何の利益にもならないはっきりいってどうでもいい理想を出して黒人やマイノリティーの感情に訴えて彼らを騙して票を集めているのが今のアメリカの民主党だ。
民主党が理想主義をかざし集票に成功して与党になると、民主党はニューヨークやロサンゼルスの金持ちがコントロールしているので、権力者や金持ちの政策だけを行う。黒人やマイノリティーから不満が出ないよう、また次の選挙で勝てるように理想を掲げる、という図式だ。
今米国で黒人男性が警察官に殺されたことで民主党の政治家やハリウッド俳優から抗議の意見が出されている。だが私は今まであなたたちは何をしてきたのかと言いたい。政治家であれば黒人やマイノリティーの地位向上のためにどんな政策を取って来たのか、ハリウッド俳優であればあなたの莫大な収入の一部を黒人やマイノリティーのために寄付をしたことがあるのかと。
民主党政治家も民主党ハリウッド俳優も共通点は自分は痛い目に遭いたくない、いい子でいたい、投票してほしい、ファンでいてほしい、だから理想を言っているというようにしか私には見えない。
2020年6月9日