資産家の多くはブラックスワン、誰も予期しなかった大事件、で没落する。
経済学者トマ・ピケティ―は近代戦争は資産をことごとく破壊するので資産家は財産を失うことになる、そして金持ちはお金を失うことになるので皮肉なことに戦争は貧富の差をなくすことになる、と言っている。
第二次大戦前は近所のお家は大きな商売をやっていたとか、大きな地主だったけど戦後の農地解放で没落したとかいう話は父母からよく聞かされた。戦争は金持ちを没落させる。
逆に言えば戦争のようなブラックスワンが生じない限り金持ちは金持ちであり続け、貧乏人は貧乏人であり続けるということだ。
今中国や北朝鮮との間で外交問題があるが大戦争が起こるかと言えばまずは起こらないとほとんどの日本人は考えている。アメリカ軍が日本に駐留する限り簡単に中国や北朝鮮が日本を攻撃することはないだろうと私も思っている。
だが万が一それが生じた場合、つまりブラックスワンが現れた時、日本は大混乱になり資産家は財産を失うことになる。
だがブラックスワンは戦争だけではない。
リーマンショックのような経済恐慌、コロナウイルスのような疫病、米中経済戦争、などのように思わぬとところにブラックスワンは潜んでいる。
またブラックスワンは世界的な所だけでなく身近な所にもいる。日本であれば地震、台風、洪水、で被害を被ることがある。また賃貸業をしていれば、火事、借人の自殺、殺人事件、などによっても資産を失ったり資産価値にダメージを被ることもある。
めったに起こることはないから考えない、無視しておくという人たちもいるがそれは間違いだ。
平和な時代に資産家が没落することはめったにない、しかしブラックスワンが現れた時に資産家は没落する。
だから資産家はまずはラックスワンのリスクを最優先して考えないといけない。その上で保険をかけたり資産を分割しておくという対策を利益よりも先に考えるべきだ。
2020年7月14日