「小学生が切手収集自慢してるんとちがうんやから」
ニュースで総理候補の岸田氏が、私はみなさんの意見を聞いてこの手帳に集めてきました、という話をした瞬間、間髪を入れずに妻がテレビに向かって行った。
妻の辛辣な批判はいつものことながら怖いものを感じる。
ビジネススクールでリーダーの最も重要な仕事は「未来を示すこと」と学んだことがある。
菅首相は、福島原発処理水の放出、携帯電話の値下げ、安倍首相から引き継いだ外交、デジタル長の創設、世界の他の国々に比べ死者数が少なくて済んでいる、曲がりなりにもオリンピックを開催した、など実績においては安倍前首相以上と言ってもいいぐらいだ。
だが実績があるにもかかわらず不人気で退陣することになってしまった。
それは菅首相が日本の未来について語らなかったからだ。
自民党支持者の中には菅首相が地味なタイプであるとか官房長官のようなサポートする仕事はできるが首相のようなリーダーの器ではなかったからだと言っている。
だが菅さんに足りなかったのはこのコロナ禍で未来を示さなかったからにほかならない。
例えば「ワクチン接種率が8割を超えたら正常社会に戻す。」とか「2022年経済成長は10%を目指す」とか、できないかもしれないことでも言って未来を語るべきだったのだ。
未来を語らなければ人々の気持ちは落ち込み、政府に対する批判は大きくなる。
未来など誰も知らない、言ったことができるかどうかわからない。
だがそれをリスク覚悟で示すのがリーダーの仕事だ。目標を達成できなければ辞めればいいのだ。
リスクが怖いから目標を示さないのはリーダー失格だ。
菅さんに華がないと言いう人がいるが、リーダーは未来を語れば華が出てくる。
岸田氏はコロナ対策など語りだしているが、我々国民がリーダーに求めているのはころな対策の説明ではない、コロナ対策を含めた日本の未来をどうしたいのかが知りたいのだ。
切手収集をしているだけ、意見を聞いているだけでは岸田氏も華がないといっていい。
2021年9月8日