大河ドラマも連続テレビ小説も自叙伝もすべてフィクションである。
「鎌倉殿の13人」の内容は90%以上フィクションだと言っていい。鎌倉時代の歴史書は「平家物語」と「吾妻鑑」しかない。一般人が文字を知らない時代だったので資料があまり残されていないらしい。
しかも「平家物語」は歴史書ではなくて最初から「物語」、つまり小説だ。面白く作ってあるはずで、どれだけ史実が盛り込まれているかは分からない。
「鎌倉殿の13人」は1年に渡って放送されるが、「平家物語」「吾妻鑑」に記載されていないことはすべて創作と言うことになる。
連続テレビ小説「カムカムエブリバディー」は視聴者の多くは知らないが、100%フィクションだ。
登場してくる3世代の女性は実際には誰も存在しなかった。というといテレビからしか情報を得ていない多くの視聴者が驚くだろう。モデルはまったくいないわけではないがNHKの英語番組を作った人で若いころに米国に留学した経験のある人だ。物語はその男性の経験をヒントに実際にはいない3人の女性を考え出してその人生を創作したものだ。
だが「カムカムエブリバディー」は違和感がなくて引き込まれていく。
それは先のブログでも述べたように「リアリティー」があるからだ。全くのフィクションでありながらその時代にあったかもしれないと思わせるからだ。
かように真実のようなものが真実でない。
ノンフィクションと思っているものがフィクションであることはこの世の中に一杯あるのだ。
よく成功した経済人、政治家、芸能人の自叙伝があるが、これらもすべてかなりのフィクションが入っているのだろう。
少なくとも本人の視点からみた世界であってバイアスがかかっているはずだ。本人の思い込みがあるだろうし、いつの間にか記憶が自分の都合のいいように書き換えられていることもあるはずだ。しかも遠い昔の小さな話はウソをついても分からない。
過去のブログで述べたように人生は「運」によることが多い。偉い人の自叙伝を鵜呑みにして同じことをやれば成功するなどと思わないほうがいい。成功した人の自慢話と思って読む程度にしておいたほうがいいと思う。
2022年1月28日