先日科学技術館に行ってきた。
大手町から一駅離れた地下鉄東西線竹橋駅から歩いて3,4分で行ける。
昔毎日新聞の近くで(私はメディア人ではない)働いていたことがあったが、忙しくて結局すぐ近くの国立近代美術館や科学技術館に一度も行かなかった。
科学技術館は科学に興味のある小中学生ならば面白くて1日過ごせるだろう。大人が観てても面白い。
そんな中でやや地味な薬品の発展についての展示があった。
ペニシリンはフレミングが発見した。実験中に間違ってアオカビを入れてしまったらなぜかその周りに結核菌が繁殖しなかったのだ。たまたま発見されたのだ。
そういう「棚からぼたもち」を英語でセレンディピティ―(serendipity)と言うらしい。
何かを求めていてたまたま違うとんでもない大成功してしまうとうことだ。日本語で近いのは「棚からぼたもち」なのかもしれないがちょっと違う。
真面目に勉強をしたり仕事をしたりしていると、努力すれば成功できるのではないかと思う。それで挫折すると能力を持って生まれた人が成功するのであって能力がなければ成功しない、と思ってします。
私は60年生きて来て、この何れも間違いだと思っている。
成功はセレンディピティ―、つまり運だ。
運がなければどんなに才能があっても成功しない、運がなければどれだけ努力しても成功しない。
もちろんまったく才能のない人、まったく努力をしない人、大成功はまずやって来ない。だが逆に才能があって努力をしたら成功するものでもないのだ。
正確に言えば適当に努力をしているとたまたま運に恵まれることがあるし、適当に才能があるとこれもたまたま運に恵まれることがある。
フレミングは医者だから賢かったに違いない。だが、他の医師たちと比べて格段に頭がよかったわけではないはずだ。たまたま真面目に(普通に適当に)研究をしていたらアオカビが紛れ込んでペニシリンを発見したのだ。
まあ成功している人は自分たちとそれほど変わらない人だと思ってお付き合いするのがいいと思うし、その人が超能力者のようにまた成功することはないと思っておいた方がいい。
成功した人は自分はほかの成功していない人とあまり変わりがない、運がよかったんだと思うことが大切で、これもまた自分がスーパー万などと決して思ってはいけない。これが中庸かと思う。
2022年2月3日