ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

イラクのフセイン大統領を思い出す、その3

 「こら!織田ちょっと来い!また間違ってる!」

 鬼の部長がまた私を呼びつけて叱るようだ。

 頭はそれほど悪くはなかったのだが、小さなミス、字を間違える、相手の名前を間違える、打合せ時間を間違える、書類のあて先を間違える、などなどで私はサラリーマン時代よく叱られ苦労した。

 いくら努力してもみんなやらないようなミスをする。後で分かったのだがどうも私は発達障害とまではいかないが、その傾向があることが分かった。このブログでもそんなミスが多々あるのでご容赦いただいたい。

 1980年代後半フセイン大統領時代、イラクは大量の機械を日本から輸入していた。

 莫大な石油収入があったが、イラン・イラク戦争の長期化で資金が底をつきだし、支払いは360日後払いから720日後払いとなっていた。

 つまり商品を手渡した後、2年後に支払われるというものだ。

 湾岸戦争前にさらにイラクは金が無くなって720日後にも支払いが滞りリスケ(支払計画の見直し、つまり借金の繰り延べ返済)になっていた。

 各商社当然多額の債権を抱えていて大手商社は1000億円を超える不良債権を所有していたはずだ。

 自分の部門だけで100億円近くになっていた。

 当時イラクの客先との契約円金利は5%前後だった。

 不払いになっている債券の金利を6ヶ月ごとに計算して報告しなくてはならない。100億円の5%だから半期で2億5千万円にもなる。

 どうもその計算を私は間違ったようだ。

「同じ5%の金利なのになんで1-6月と7-12月で数字が違うんだ!」

と部長は至極当たり前のことで私を叱りだした。

「そこに立っとけ!」

 いまならパワハラな言葉が続いたがまあ当時それが普通だった。

 立ちながら電卓で何度か計算したがやっぱり計算は合っている。

 おそるおそる部長に説明した。

「部長、1月は31日、2月は28日、3月は31日、4月は30日、5月は31日、6月は30日、合計181日、7月は31日、8月は31日、9月は30日、10月は31日、11月30日、12月31日、、、、合計184日です。。」

 部長は説明の途中で「分かった」といった。この3日の違いで4百万円違ってくるのだ。

 当時まだまだバブルでその日も部長の行きつけの銀座のママの所に連れていってもらったはずだ。

2022年5月10日