黒田日銀総裁は就任以来ずっと物価を2%アップさせると数値目標を持ってやってきた。
前の白川日銀総裁はリーマンショック後世界が異次元的な金融緩和をしているにもかかわらず、金融緩和をやらなかった。その結果最後は悪夢の民主党政権とも重なり2011年には日本経済をどん底に落とし込んでいた。
ゼロ金利と言う大胆な政策を実行し日本を不景気のどん底から救ったのは大きな実績だ。
しかも物価2%アップという数値目標を掲げたのも、斬新で曖昧で小難しいことを言う今までの日銀のリーダーとの違いを見せつけた。
日本経済をどん底から救った黒田日銀総裁は立派な実績があると私は考えている。
だが2%の物価上昇は10年近くになるのにまだ達成されていない。
一番大きいのは自民党が財務省を説得して大幅な財政支出が出来なかったことが原因だ。
もちろん他には中国からの安い製品が輸入され続けたことが原因でもある。さらに日本の労働市場自由化で派遣労働者を生み出したりパート従業員の給与を押さえつけた結果、賃金プッシュインフレが実現できなかった。
日銀総裁にすべての責任があるわけではない。
過去のブログで物の価格は材料費と人件費で成り立っていると説明した。
今ウクライナ戦争とコロナ後の需要回帰で原油価格や材料費は高騰しだしている。消費者物価を上昇の兆しが出ている。
おそらく2%程度の消費者物価上昇であれば達成することもありえるだろう。
しかしそれは本来期待していた人件費が上がっての物価上昇ではない。
私は黒田総裁が数値目標を達成するために金利を低く据え置いて円安に誘導し原油や材料費価格上昇を容認するようなことはやめておいてほしいと切に考える。
黒田総裁はそろそろ任期と言いう話も聞く、2%の物価上昇は達成できなかったかもしれないが十分な実績がある。有終の美を飾っていただきたい、くれぐれも2%物価上昇のために晩節を汚さないようにお願いしたい。
あくまでの2%の物価上昇は日本国民の人件費アップで達成してほしい。
2022年4月11日