ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

地政学的にフランスはウクライナに無関心になる

 欧州大陸においての大国はロシア、ドイツ、フランスだ。

 ドイツは常にロシアの脅威にさらされている。実際にドイツは二つの大戦でロシアと戦っていてしかも2度とも負けている。

 さらに第二次世界大戦ベルリンの壁が崩壊するまで半世紀近く国は分断され東ドイツソ連の実質支配下にあった。

 ドイツがロシアに攻め込んだことはあるがモスクワを陥落させたことはない。

 フランスは常にドイツの脅威にさらされている。実際にフランスは二つの大戦でドイツから攻め込まれた。二度ともフランスはドイツ大きく攻め込まれ、パリが第一次大戦では陥落寸前、第二次世界大戦では陥落した。

 付け加えるとナポレオンが破れた後もプロイセンはパリを包囲している。

 第二次大戦後ドイツとフランスはEUの盟主となりNATO軍を構成することでフランスはドイツの脅威から逃れることに成功した。

 概ねドイツにとってロシアは脅威であり、フランスにとってドイツは脅威だ。

 ドイツの新聞の外交面を見れば絶えずロシアのニュースが出てくる。フランスの新聞の外交面はドイツのニュースが多い。

 ドイツはベルリンの壁崩壊後ロシアとの友好関係を推進し、軍事予算の削減、天然ガスパイプラインの設置など極端伴言えるロシア懐柔策を取ってきた。

 今回のロシアのウクライナ侵攻での反応とその転換は素早かった。ドイツは急きょ防衛予算のGDP比2%への増額を決め、ウクライナへの武器供与を行い、経済制裁についても積極的に対応をした。

 ドイツはロシアの動きに敏感だ。ドイツが懐柔策から強硬策に突如方針転換したのはロシアの脅威を強烈に感じているからだ。飴玉をやってもだめならすぐに戦うという姿勢だ。

 一方でフランスはロシアと大戦争をしたのはナポレオンがロシアに進軍した時のみだ。いつも間にドイツがいて盾の役割を果たしてきた。

 フランスにとってウクライナは同じ地続きのヨーロッパとはいえドイツのさらに先にある遠い東の国のイメージだ。

 ポーランドバルト三国ルーマニアブルガリアまではご近所だが、その向こうの白ロシアウクライナはロシアと同じグループで関係ないとフランスは思っていると思う。

 いまロシア制裁は全世界がやっているわけではない。制裁しているのは先進国と一部の国で中国インドも参加していない。

 今後ロシア制裁が崩れるとすればフランスだと私は見ている。

 それは西側諸国にとっても、プーチン悪ジレンスキー善とみている多くの知識人にとって許しがたきことかもしれない。しかしそれは皮肉にもウクライナの平和につながるかもしれない。

2022年4月23日

 

 

 

 

 

 

 

いたぶり続ける。