ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

1994年ロシア人男性の平均寿命は57歳だった。

 プーチン大統領の80%以上と言う高い支持率は言論統制が原因でロシア国民に正しい情報が届いていないからだと西側は言っている。

 確かに言論統制は高い支持率の原因の一つだろう。

 だが反論を言うならばプーチン大統領は大規模に言論弾圧が行われるウクライナ戦争の前の公正だとされる(少なくとも西側諸国が不正選挙だと非難しなかった)選挙で3度も圧倒的な支持で大統領に選出されている。

 それはプーチン大統領はロシア国民の大英雄だからだ。

 1989年東西冷戦の壁が壊れその後ソ連は崩壊した。

 1990年代はロシア苦難の時代だった。

 一般的に共産主義から資本主義への移行時の混乱だと簡単に説明されている。だが実態は西側諸国の利権の食い物にされたと言っていい。

 そのころ斬新な「新自由主義」、つまり国家の経済への介入を極力控えて民間に自由にやらせれば経済は発展するという考えでロシア経済を一気に極度に自由化してしまった。

 なんでロシアの指導者はそんなバカなことをしたかと思うかもしれないが、当時「新自由主義」は西側でも肯定的にみられていた。小泉首相新自由主義の流れである郵政民営化で「ぶっ潰す!」と叫んで衆議院選挙で大勝した。日本はロシアを笑うことはできない。

 自由化は競争がはげしくなって経済が発展する一方で弱肉強食の世界だ。ロシアは平等な社会から一気に猛烈な格差社会になった。しかも西側の経済コンサルタントに騙されて石油関連などの主要産業を民営化した結果、ユダヤ系資本、西側資本の傘下になってしまった。

 そこに現れたのがプーチン大統領だ。

 海外資本の流入に規制をかけ、主要産業を国有化あるいはスラブ系資本家の物にすべく奔走した。そして社会福祉にも力をいれたのだ。

 1990年代いかにロシアが苦しみ、プーチンのおかげでロシアが回復したかはロシア男性の平均寿命が如実に表している。

 ソ連時代64歳前後であった男性の平均寿命はソ連崩壊後の1994年には57歳まで落ちている。

 多くのロシア人男性は失業し挫折し貧困の中でウォッカを浴びるように飲み若くして亡くなっていたのだ。

 平均寿命はその後10年ほど低迷していたがプーチンの政策が軌道に乗り出すと伸びだした。2020年にはソ連時代以上の67歳になっている。

 平均寿命を26年で10歳も伸ばしたプーチンはロシア国民から当然支持されている。西側は認めたくないだろうがプーチン大統領はロシア国民の英雄だ。

 私はプーチン大統領の力による現状変更に反対している。また彼を支持しているわけでもない。だが彼を批判するだけでは物事は解決しない。よく研究することがウクライナ戦争解決の糸口だと信じている。

2022年5月30日