ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

ゼロ戦プラモデルのその後

 父の日に息子がくれた48分の1スケールのゼロ戦プラモデルは遅々としててだが進んでいる。

 同じ作るなら完璧なものを作ろうと、塗装をしっかりやらないといけないと思い、プラモデル用の塗料を買ってきて少しずつ塗っている。

 50年ぶりのプラモデルだが、制作のために新宿のヨドバシカメラヤマダ電機の玩具売り場に何度か行ってプラモデル用の工具や塗料を買ってきている。

 その購入物に50年の時代の違いを感じている。

 まず、プラモデル本体は私が小学生の頃1970年前後はゼロ戦48分の1スケールは定価が200円だった。その後オイルショックで急にプラモデルの値段が上がったのを覚えている。

 息子が買ってくれたので値段が分からなかったのだが、インターネットや玩具屋での価格を調べると2500円ぐらいはしている。昔の12.5倍にもなっている。

 今時ゼロ戦のプラモデルを組み立てる人など限られているけれども、遠の昔に生産が中止されて骨董的価値が出ているのだろう。

 一方で塗装ペイントは昔小瓶一色50円ぐらいだったものが今は130円ぐらいで手に入る。

 ゼロ戦を細部まで正確な色彩でペイントしようとすると15種類の色が必要だ。合計1950円をヤマダ電機に支払ってきた。意外と安かった。

 しかし小学生の頃15種類、50円x15=750円を塗料代に使うのはお小遣いが5百円もらっていたなかった私には無理で、組み立てるプラモデルはいつも中途半端な塗装だった。プラモデル本体が200円に対して塗料は750円だったのだ。

 塗装方法として大きな面は筆ではなくスプレーでやるときれいになる。小学生の頃スプレーは塗布器とコンプレッサーは大型で1万円以上して到底小学生には買えない代物だった。それが今塗布器とコンプレッサーのコンパクトななかなか優れもののセットがあって5千円で手に入るようだ。

 さらに塗料を塗る筆だが、今100円ショップで5本セットのきわめて繊細で品質のいいものがあるらしい。なんと一本22円だ。

 それは女性化粧品売り場にあるらしく、自分でネイルをするための物らしい。50年前にネイルをしている女性は夜の仕事をしている人ぐらいだったが、今は中学生でもやっている。

 さらに塗料の色は水性の物が出ている。塗料なので完全に揮発性物質ゼロと言うわけにはいかないようだが、シンナー中毒の危険性はほとんどなくなっているようだ。

 プラモデル本体を見ると50年前にたかが趣味の為にかような正確なプラスチック成形品を日本のおもちゃメーカーはできたのだと感心する。

 それとともにこの50年間に日本はいろんな細かな技術を発展させてきたことに驚く。日本の小さなものが安いのは単に人件費の安い中国で生産しているだけでなく、日本人が50年かけて技術開発とコストダウンをコツコツ積み上げてきた結果ではないかと思う。

2022年7月26日