予想と希望は違うことは誰でも知っているし、人生を歩んで行けばその違いを何度も思い知らされることになる。
予想は客観的な未来を推測するものであり、希望はあってほしい姿の未来を語るものだ。世の中には現実と言う壁があって希望の通りに未来はならない。自分の意思が届かないと未来は希望とは違ったものになる。
予想だって未来はその通りにはならない。
それは多くは客観的になれず予想しきれないからだ。自分の意思が混じってしまって予想と言いながら希望を述べていることがあるからだ。
ロシアの専門家たちはこれをやらかしている。
数か月前によくあった「プーチンは健康に問題があるかもしれない」は(プーチンは健康に問題があって欲しい)だったのだ。今もってプーチンは病気で倒れていない。
そのうち「クーデターでプーチンは失脚するかもしれない」は(プーチンは失脚してほしい)だった。これも今もって失脚していない。
西側の制裁で「ルーブルは暴落しロシア経済は破綻する」は(ルーブルは暴落してロシア経済は破綻してほしい)だったのだ。いまもルーブルは堅調でロシア経済は打撃はあったようだが破綻の兆しはない。
「ロシアは世界から孤立する」も(ロシアは孤立してほしい)だったのだ。中立や制裁に反対している国は中国やインドの大国を含めて世界の二分の1ある。
西側専門家はプーチンは悪者というバイアスがかかっている。それをもとに未来を予想するのでことごとく間違いを起こすのだ。
おそらくプーチン悪者でその思いで考えるとプーチンとロシアは苦境に陥るという予想になる。それは聞く人の耳に心地いいし、再度コメントを要請されることになるからだろう。
これからも西側の専門家と呼ばれる人たちは間違いを続けるだろう。
「ウクライナは反撃している、ロシアは負けている。」と今も専門家は言うがそれは(ウクライナが勝って欲しい、ロシアは負けてほしい)と言う希望に過ぎない。2月24日ウクライナ侵攻以前のロシア領よりも今のロシア領の方が間違いなく広い、と言うのが現実だ。
2022年10月2日