ドラコの資産運用 織田俊夫

政治、経済、社会、を常識眼で分析すれば資産は10倍になる

漬物で芦屋に家が建つ

 先日のブログで漬物の日野菜のことを書いたが、ふと学生時代に漬物屋でバイトしたことを思い出した。

 いい社会勉強だった。

 冬場クラブ活動がないこともあり、家庭教師に加えてお金を稼ごうと思った。,

時給は安かったが下宿から100メートルの所で近かったからだ。 

 最初の仕事はスーパーから賞味期限切れで戻された漬物の封を切って樽に戻すのだ。古くなって酸っぱくなった漬物を樽の中に入れまだ漬かりの浅い漬物と混ぜ合わせる。それを再度小分けにして密封して今日の製造年月日と今日をベースにした賞味期限を印字して再度出荷するのだ。

 これって生産日と賞味期限のウソになるのか?漬物だからいいのか?と思いながら作業をしていた。

 後々企業の改ざん問題が出てくるとこのことを思い出している。

 お歳暮の季節でその漬物やのデパ地下の店が忙しいらしく慣れない売り子となった。おばさんたちに交じって一人店員をした。

 デパートの漬物屋にやってくる買い物客はほとんどがおばちゃんで、若いおにーちゃんが一人混じっているので声をかけてくる。

 「学生さん?」「何勉強してるん?」「いくつ?息子より若いなあ」「アルバイトして何にお金使うん?スキー?」

 と言うような感じで開店時は緊張したが午後には普通に仕事を売り子の仕事をこなしていた。

 しばらくしてまた近所の工場に戻ると、毎日午後になると70歳ぐらいの老人がやってくる。

 聞いてみると社長らしい。先代は小さな漬物の小売店だった、それを一代でいくつかの関西のデパ地下に店を出すまで大きくしたらしい。小学校しか行かなかったらしい。毎日昼休み後に芦屋の自宅から運転手付きの車でやってくると言う。

 そのころ金持ちになるにはいい大学を出て一流企業に勤めることかと漠然と思っていた。だが私はその時、漬物を売って芦屋に住む、ことができることを学んだ次第だ。

2022年11月4日