さて中国の合計特殊出生率が誤魔化しだという説明をしてみる。
計算を単純化するために1980年の中国の15歳〜49歳までの女性の人口を3億5千万人とする(男女で7億人、15歳以下50歳以上を含めて総人口10億人という荒っぽい設定)。さらに各年齢の女性もすべて1000万人と仮定してみる。
さらに1980年当時25歳以上は全員結婚していてこどもが一人以上いたと仮定する。当時中国人は早婚であったし女性は3人はこどもを生んでいたのでそれに近い状態であったはずだ。
また1980年当時15歳〜24歳までの1億人の女性はこどもを一人も生んでいないことにする。
1980年代合計特殊出生率は2.6人だ。これは毎年2600万人のこどもが生まれていることになる。
25歳以上の女性はこどもがすでにいると仮定していているので一人っ子政策が厳密に実行されていたら子どもを産めない。
こどものいない15歳~24歳までの1億人の女性の内毎年2600万人がこどもを持つことになる。
一方で1年経つと新たに15歳になるこどものいない1000万人が増える。1年で2600万人-1000万人=1600万人こどもを持たない15歳〜24歳の女性人口は減ることになる。
毎年こどもを持たない母親の数は1600万人減るので6年ちょっとで1億人いた15歳〜24歳でこどもを持たない女性はゼロになる。女子大生も女子高生も全員こどもがいることになる。
実際の女性の人口は年齢によってばらつきがあると言うような反論はあるだろう。だが中国が発表している合計特殊出生率は1980年から10年以上2人以上でありその後も一人っ子政策なのに40年後まで1.6人前後を推移している。
一人っ子政策を厳密に実行し中国政府が長年発表してきた合計特殊出生率2.6~1.6が正しいとすれば15歳以上の中国人女性は30年以上前から全員(以上)がこどもを持っていて、それ以上のこどもが生まれていることになる。
世界の人口学者はなぜ気が付かないのだろう。
2023年4月10日