タイの通貨バーツが4.2円を超えている。
2000年~2010年ごろバーツは2.3円~2.8円あたりを行き来していた。1.5倍~1.8倍のバーツ高だ。
日銀の低金利政策で日本円が安くなっていることもあるが、バーツ自身も他の通貨に対して高くなっている。
タイ人の友人に聞くと2000年代は高度成長でタイ人の所得はどんどん上がったが、ここ10年ぐらいは低成長になっているとのことだった。
とはいえ30年前に比べるとタイは格段に豊かになった。
その昔タイの東北部イサーンは雨が少なく所得が低い所だった。多くの出稼ぎ労働者がバンコク周辺の工業地帯に来ていた。月給は昼ご飯付きで5千バーツ(1万5千円)だった。
毎年給与が上がっていった。最初はカメラを買い次にバイクを買い携帯電話を買っていった。
そして今マネージャーの平均給与が日本の課長の給与を上回ったという話もある。今や日本の労働者の給与は韓国、台湾に越されただけでなくタイにも追いつかれつつあるのだ。
だがそのタイが高度成長する前1999年のある日通貨危機が起こった。
バンコクの日本人駐在員に聞いたことがある。
5円していたタイバーツは一気に暴落して2円台に落ちた。これを機に世界は経済危機に陥った。これはジョージソロスが仕掛けた市場操作で彼は大儲けをした。
その駐在員が銀行に預金していた100万円ほどのバーツは一夜で30万円ほどの価値に下がっていた。
今もタイは政治経済にいろいろな問題がある。だがあの悪夢の経済危機から立ち直ったのは間違いない。
日本の外国人観光客にはタイ人も多い、その中にはかつて5000バーツで出稼ぎに来ていたひとたちも含まれているのだろう。豊かになって本当に良かったと思う。
2023年11月9日