1962年ケネディー大統領はダラスで暗殺された。
暗殺には知られざる陰謀があったのではないかという視点で描かれているノンフィクションだ。
事件は当初からオズワルド単独犯行とされた。オズワルドは逮捕後に暗殺されてしまい裁判は行われなかった。調査委員会は単独犯行であると結論を出した。当時から異論があったが有力な証拠もなくそのままとなっていた。
事件の情報公開がされるようになり、また口を閉ざしていた人たちが話し出したことによってオズワルドの単独犯行はかなり疑わしくなっている。
調査委員会の報告では銃弾は後ろから飛んできてケネディー大統領の後頭部から前に撃ち抜かれたとされている。反対に銃弾は前方から飛んできて後頭部に抜けたのではないかという主張だ。
銃弾が後ろからであればオズワルドは後方のビルからライフルで打ったことと合致する。だが前から打ったとすればオズワルド以外が犯人になる。
この疑問について証拠と証言を集めて映画の前半分を費やしている。
後ろからの弾丸でなく前からの弾丸であればオズワルドの犯行でないことだけでなく調査委員会の報告はすべてデタラメになる。一つのデタラメが明らかになればそれに基づいた推測、意見、判断もデタラメになる。
この点はオズワルド犯人説を信じる人も信じない人も両方が意見が一致するところだ。両者ともに論理的でありいかにもアメリカらしい。
日本ではこの論理が通っていない。
木原事件は調査書が「不審死」としているのに露木長官は「自殺」と断定している。明らかに矛盾しているにもかかわらずマスコミはその非論理性に気が付いていないのか無視しているのか指摘すらもしない。
検視が「不審死」でそれを「自殺」というのであればその間には何らかの説明がないといけない。アメリカに比べて日本は理屈が通らない未開の国のようだ。
あと10年後にさらに記録は公開されることになる。その時暗殺の背景が明らかになるやもしれない。
2023年11月20日